〔077〕甲斐駒ヶ岳 (2,967m)

標高差:937m

2004年09月16日(当時55歳)


日本百名山に戻る
山梨県北社市白州町横手

仙流荘前のバス停、平日は便数が少ない。 もしや臨時便が
あるかも知れないと思い、6時頃にバス停に行くが、
平日の定刻の8時25分が始発だった。
広い無料駐車場は平日なのに60%は埋まっている。
展望の良い所でバスを停めて山の解説をしてくれるのは意外なサービスだった。
ここでは難峰である ”鋸岳”の解説があった。
前日の移動
  前日の午後7時20分に自宅を出発し、阪神高速、名神、中央道を走り、伊那インターで高速を降り、
高遠の道の駅、南アルプスむら長谷で日も替わった0時20分、車中泊とする。5時間掛かってしまった。
同じく車窓から見た ”甲斐駒ヶ岳”(中央奥)
道脇に ”フジアザミ”が咲いていてもバスは停まってくれた。
シャトルバスに乗る
  乗車代は荷物代も取られて片道1,300円、平日なのに80%の乗車率、土日の混雑が予想される。(混雑時は臨時便がどんどん出るらしい)。以外なことに歳老いたバスの運ちゃんがバスガイドをしてくれて、
山の話、花の話しをしてくれ、景色の良いところでは停車までしてく
れて、写真を撮らせてくれる。 これなら1,300円は安い感じがしたが
2回目からはうっとしいのでは・・・
9時30分に駒ヶ岳、仙丈ヶ岳の登山口となる ”北沢峠”でバスを
降りる。 後は今日お世話になるとは思っていなかった ”長衛荘”。
登りは ”仙水峠”を経由する為に、林道を少し歩き、沢沿いの
気持ちの良い登山道に入る。 沢は丸木橋で何度か渡る。
沢道から離れて少し登ると30分で ”仙水小屋”に着いた。
”仙水小屋”の宿泊は完全予約制らしい。
シラビソ林の中は一面にコケがびっしりで幻想的。
この辺りまでは散策道的な感じで良い雰囲気であった。
氷河の押し出しと思われる石が一面に広がった場所が続く。
このガレ場を乗り越せば ”仙水峠”に着く。
振り返ると ”仙丈ケ岳”の山並が見えたが、山頂はまだ見えていない。
約1時間にて ”栗沢山”への分岐点となる ”仙水峠”に着く。
”仙水峠”から見上げると”摩利支天”(右)と ”駒ヶ岳”(左)が
大きく聳えていた。
”仙水峠”から ”駒津峰”へは標高差476mの直登が続く。
登るに従い展望がどんどん開けて行った。
写真範囲の左側には鳳凰三山が広がるが北岳は栗沢山の陰になってしまった。
オベリスクが特徴的な鳳凰三山、薬師岳と間ノ岳の間に
”富士山”の山頂部だけが顔を出していた。
仙丈ヶ岳の山頂部が見え出した。
尾根に伸びる登山道が良く判る。
駒津峰から ”駒ヶ岳”をバックに写真を撮って貰う。
肉眼では ”鋸岳”の向こうに ”槍ヶ岳”が薄っすら見えていた。
駒津峰から ”駒ヶ岳”へのやせ尾根を登る。 右は ”六万石”。
”駒ヶ岳”の取り付きから右側から登る ”巻き道コース”に入る。
登るに従い、”鳳凰三山”が低く見える様になって来た。
観音岳の上に富士山が乗っている。右手前は摩利支天の岩峰。
巻き道は約半周する格好になり距離は長いしザレ場の滑り易い急登が続く。
25kg程の荷物を担いだ縦走あんちゃんと同じペースで登る、情けない。
3時間20分を要して ”甲斐駒ヶ岳”(2,967m)に着く。
予定より20分オーバー、3時55分の最終バスに乗らないと
日帰り出来ない。 後2時間30分では難しそうである。
背後はガスに覆われた八ケ岳、左に蓼科山、
遠くに浅間山の噴煙が見えた。
”鳳凰三山”と ”富士山”を見る。
徐々にガスが上がってきた。
”直登コース”から下山する
  ゆっくりしていられないので時間稼ぎで直登コースを降りる。 が、道標がまったくなく踏み跡を
トレースしながら降りて行くと、動きの取れない崖っぷちに入ってしまった。 足元はザレ場で滑りそ
うだし、掴む岩もボロボロ崩れてしまう、本当に死の恐怖を味わった。 小さな潅木を頼りに登り返し、
元の場所に戻っていると縦走あんちゃんも俺の足跡に付いて来ていた。 2人でルートを探しながら
下るがあんちゃんはハイマツ帯に捕まってしまう。 30分はロスしたのでこれで日帰りを断念する。
本日、行動を共にした縦走3日目のあんちゃんと愛知からの
中村さん御夫婦。(戻って来た駒津峰にて記念撮影)
”双児山”への登り途中から登山道を振り返り見る。
双児山経由での下山
  ゴロ石の歩き難い道を鞍部まで下り、双児山へ登り返す。 最近、山登りをしていないせいか足が攣りそうになるが双児山まで頑張る。 双児山は展望が利かず、皆が来るのを待っていると尻に根が生えてしまった。 後は森林帯を下るのみであるが、地図上では直線に描かれている道であるが、
ジグザクに通って行くのでやたらと距離が長くうんざりする。
山小屋泊りに決定
 4時45分、7時間15分で北沢峠に戻る。 土日のバス便なら充分日帰り出来たが、下山時の道間違いも含め予定以上に時間が掛かってしまったので最終バスに乗れず敗北である。 長衛荘に宿泊を申し込む。 なんとか皆と同じ晩飯が当たることになった。 明日の朝飯、弁当を入れて8千5百円也、早速、山小屋初体験のビールをあおる。 500円が高いとは思わない位旨い。 晩飯の後は御夫婦持参の焼酎で酒盛りとなり消灯の8時まで呑み続けた。 明日の2日酔いが心配。 布団は両端を開けてくれてゆっくり状態であるが明後日からの3連休はギュウギュウ詰めになるらしい。
やっぱり山登りは平日がベストですな!
駒津峰の下りから ”双児山”(2,649m)への登り尾根を見る。
日本百名山』 冠雪した様な白砂の山頂からの展望は最高だった。
かいこまがだけ
深田久弥著の「日本百名山」から
  日本アルプスで一番代表的なピラミッドは、と問われたら、私は真っ先にこの駒ヶ岳をあげよう。
その金字塔の本領は、八ヶ岳や霧ヶ峰や北アルプスから望んだ時、いよいよ発揮される。
(略)まさしく毅然という形容に値する威と品をそなえた山容である。
直登コースからの下山に注意
  直登コースには標識、マーキングが全然無く、登りは山頂目指して進めば道を間違う
ことはないが、下りは余程慎重にコースを選ばないと危ない目に遭う。
  今回の道間違いはどんどん急斜面に入っていくが、”行けるはず”の思い込みから
深みに嵌ってしまい、最終的には崖っぷちに張り付くことになってしまった。
足元は20m程の垂直の崖、岩はボロボロ崩れるので掴めるのは小さな潅木のみ、
潅木が抜ければ奈落の底に!、本当に死ぬかも知れないと思った。
これを予感した訳では無いが最近、山岳保険に入った。年間3千円の掛け金で300万円の救援費を保証してくれる。 しかし、保険の世話にはなりたくない。
初の山小屋泊り
  土日のバス便なら充分日帰り出来る山であったが、土日の混雑を嫌って平日とした為に帰りのバスには間に合わず、百名山60座目にして初の小屋泊まりとなってしまった。 しかし、これは下山後の山小屋泊まりなのでカウントには入れたくない。 美味しいビールは呑めたし、平日なのでゆっくり寝ることが出来たが、風呂に入らずに寝るのは辛い。 上半身は行水で洗ったが、泊まりを想定していなかったので着替えがなく、潔癖症ではないが嫌な感じだった。 (シャワー室があるのを帰りに気付いた)。
  中村さん夫婦にお酒も御馳走になり、ゆっくり眠れて山小屋泊りも悪くはないと思ったが、下山−温泉−旨い物−車中泊のパターンでこれからも行きたいと思う。
2004年度の南ア遠征
    09/16        09/17 
  甲斐駒ヶ岳 → 仙丈ヶ岳
Road Map :中央道を伊那ICで下りて、R361、R152にて長谷黒河内のバスターミナルに至る。
Route Map:シャトルバスを利用して北沢峠から仙水峠を経由して山頂に登る。
バス停のある ”北沢峠”から歩き始め、”仙水峠”を経由して
”駒津峰”に激登して ”駒ヶ岳”に至る。 下りは ”双児山”を経由するコースとした。
バスで一緒だった愛知からの御夫婦が追い付いて来た。
小屋に荷物を預けに行ったはずなのに早い、俺が遅いのか。
 2時間15分で ”駒津峰”に着く。 展望最高のこの場所は休日なら
 登り下りの登山者でごった返すらしいが、今日は平日なので5〜6名
 しか居なかった。 ”駒津峰”は展望が良く、南アルプスの半分が見え
 る感じであった。
山頂からの展望は素晴らしく、北岳、鳳凰三山は当然、八ケ岳、
中央アルプス、槍を初め北アルプス、浅間山の噴煙まで見えた。
山頂の祠にお参りをしなかったのでこの後、えらい目に合う。
”仙水峠”の記念碑かと思っていたが、良く見る
と ”原口国秋”さんの慰霊碑だった。 浦和定時
生高校生で、この付近で遭難死したらしい。
急登り前の元気な内に記念写真を撮っておく。
(誰がシャッターを押した?)
2023年12月20日改定